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クリスマス後のメルカリに「未使用に近い」ブランド品が大量出品される理由と若者の価値観変化

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クリスマスが終わった12月26日、あなたは気づいてしまったかもしれません。メルカリを開くと「未使用に近い」「新品未使用」と書かれたブランドアクセサリーが怒涛のように出品されている光景に。

「これって全部、プレゼントをもらって速攻で売ったってこと?」

そう、あなたの勘は正しいのです。これは毎年クリスマス後に繰り返される、日本のフリマアプリ特有の現象なのです。

目次

クリスマス後のメルカリは「プレゼントの墓場」と化す

クリスマス直後のメルカリでは、毎年同じ光景が繰り広げられます。「4℃」や「ティファニー」などのジュエリーブランド名で検索すると、終わりが見えないほどの新品未使用アクセサリーが並びます。

特に話題になるのが、日本のジュエリーブランド「4℃(ヨンドシー)」です。1〜3万円程度の手頃な価格帯でデザインも豊富なため、クリスマスプレゼントの定番として多くの男性に選ばれています。しかし皮肉なことに、その「定番」であることが仇となり、毎年クリスマス直後には大量にフリマアプリに出品される運命にあるのです。

商品説明には「頂き物ですが使わないので出品します」「新品未使用品です!」といったコメントが並びます。中には「1回短時間使用したので大切に保管していました」という記載も。これはおそらく、プレゼントをもらった瞬間に一度だけ目の前でつけてあげた、というケースでしょう。

なぜプレゼントがすぐに売られるのか

好みに合わないプレゼントは約99%の人が経験

株式会社クオーレが行った調査によると、「好みではないプレゼントをもらったことがある」と答えた人はなんと99%にも達しています。つまり、ほぼ全員が一度は「正直いらない」と思うプレゼントを受け取った経験があるということです。

そして、好みではないプレゼントを「売った経験がある」人は約77%、つまり8割近くの人が実際に売却した経験を持っているのです。

売る理由は「罪悪感より合理性」

プレゼントを売る人たちの声を集めると、意外にも「罪悪感」よりも「合理性」が勝っているケースが多いことがわかります。

主な理由として挙げられるのは、まず「使わないものを置いておくのはもったいない」という考え方です。次に「早く売った方が買い手がつきやすい」という実利的な判断があります。また「売ったお金で本当に欲しいものを買いたい」という素直な欲求も見られます。さらに「必要としている人に使ってもらった方がモノのためになる」というサステナブルな視点もあるのです。

ある20代女性は「いらないものを家に置いておくような自虐的な趣味はない」と率直に語っています。合理的で無駄を嫌う若い世代の価値観が、ここに象徴されているといえるでしょう。

若者の価値観は本当に変わったのか

フリマアプリ利用率は若者ほど高い

2024年のナイル株式会社の調査によると、フリマアプリの利用経験は20代で73%、10代で70%と、若い世代ほど高い利用率を示しています。一方、年代が上がるにつれてこの数字は下がっていきます。

若い世代にとってフリマアプリは、単なる「中古品売買の場」ではありません。不要なものを現金化し、そのお金で本当に欲しいものを手に入れるという「循環型の消費スタイル」の一部なのです。

Z世代の消費観:コスパ重視と自分軸

デロイトトーマツが実施した2025年度の「国内Z世代意識・購買行動調査」では、Z世代(15〜29歳)の特徴的な価値観が浮き彫りになっています。

Z世代は「節約と贅沢のメリハリをつける」傾向が強く、コストパフォーマンスを非常に重視します。一方で、自分へのご褒美消費には積極的という一面も持っています。つまり、「誰かにもらったけど自分の好みじゃないもの」より「自分で選んだ本当に欲しいもの」にお金を使いたいという価値観が根底にあるのです。

また「自分向けにカスタマイズできる商品・サービスに魅力を感じる」という回答も多く、プレゼントという「他人が選んだもの」より「自分で選んだもの」を重視する傾向が見て取れます。

「欲しいものは事前に聞いてほしい」が最多

Preplyが2024年11月に行った調査では、「クリスマスプレゼントをもらう場合、どのように渡してほしいですか?」という質問に対し、「何が欲しいか事前に聞いてほしい」が27.7%でトップでした。

その理由として7割以上が「欲しいものを確実に手に入れたいから」と答えています。サプライズより確実性を重視するのは、まさに現代の若者らしい価値観といえるでしょう。

さらに「プレゼントはいらない」と答えた人も21.8%と、5人に1人以上がプレゼント自体を望んでいないことも判明しています。

プレゼントをあげる側はどうすればいいのか

相手の好みを徹底リサーチする

クリスマス後のメルカリを見て「怖い」と感じるのは、プレゼントをあげる側の立場に立った自然な感情です。しかし、この現象から学べることもあります。

プレゼントを転売されないためには、まず相手の好みを事前に確認することが大切です。「サプライズ」よりも「確実に喜ばれるもの」を選ぶ勇気を持つべきでしょう。また定番ブランドに頼るのではなく、相手の個性に合ったものを選ぶことも重要です。迷ったら一緒に選びに行くのも一つの選択肢として検討してみてください。

消え物やギフトカードという選択肢

2024年の調査では、約3割の人が「恋人からのプレゼントが中古品でもOK」と答えています。つまり、高価なブランド品を新品で買うことが必ずしも正解ではないということです。

むしろ、食事や旅行などの「体験」をプレゼントする、相手が自分で選べるギフトカードを贈る、消耗品(コスメ、入浴剤など)を選ぶ、といった選択肢の方が、現代の若者には喜ばれる可能性が高いのです。

「普通」かどうかより、価値観の違いを理解する

「今の若い子の感覚ではこれって普通なんですか?」という疑問への答えは、「普通かどうか」より「価値観が変化している」ということです。

フリマアプリが普及する以前も、プレゼントは質屋に持ち込まれたり、タンスの肥やしになったりしていました。違いは、それが「可視化」されるようになったことです。メルカリという透明性の高いプラットフォームの登場で、以前は闇に隠れていた「プレゼントの行方」が誰の目にも見える形になったのです。

若い世代にとって、「もらったものを大切にする」ことと「不要なものを必要な人に渡す」ことは矛盾しません。むしろ、使われないまま眠らせておくことの方が「もったいない」と感じるのです。

これは環境問題への意識が高いZ世代らしい考え方ともいえます。「モノを所有し続けること」より「モノを循環させること」に価値を見出す。それが現代の若者の消費観なのかもしれません。

まとめ:プレゼントの形は変化している

クリスマス後のメルカリで「未使用に近い」ブランド品が大量出品される光景は、確かに「怖い」と感じるかもしれません。自分がプレゼントした側だったらと想像すると、心が痛むのも当然です。

しかしこの現象は、単に「冷たい若者」の話ではありません。価値観の変化、消費スタイルの進化、そしてコミュニケーションの形の変容を映し出しています。

大切なのは、「プレゼント=物を贈ること」という固定観念を見直すことかもしれません。相手の好みを聞く、一緒に選ぶ、体験をプレゼントする。形式にとらわれず、相手が本当に喜ぶ形を探ること。それこそが、現代における「プレゼントの正解」なのではないでしょうか。

そして最後に、もしあなたがプレゼントを贈る側なら、相手がそれをどう使おうと「受け取ってくれた」という事実に感謝することも大切です。プレゼントとは、渡した瞬間に相手のものになるのですから。


参考データ

  • ナイル株式会社「フリマアプリに関する調査」(2024年)
  • デロイトトーマツ「国内Z世代意識・購買行動調査」(2025年)
  • Preply「クリスマスプレゼントに関する意識調査」(2024年)
  • 株式会社クオーレ「プレゼントに関するアンケート調査」
  • メルカリ総合研究所「フリマアプリとクリスマスプレゼントに関する意識調査」
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