「投資ってなんでおすすめされるの?」「ギャンブルと同じじゃないの?」「減ったら自己責任でしょ?」
こんな疑問や不安を持っている方は少なくありません。確かに投資には元本保証がなく、損をする可能性もあります。それなら「何もしない方が安全では?」と考えるのは、ごく自然なことです。
しかし、2025年の日本経済の状況を見ると、「何もしない」こと自体が実は最大のリスクになっているという現実があります。
この記事では、投資がなぜおすすめされるのか、ギャンブルとの違いは何か、そして「何もしないリスク」について、2025年の最新データをもとに詳しく解説していきます。
投資とギャンブルの決定的な違いとは?
投資とギャンブルは、表面的には「お金を使って増やそうとする」という点で似ているように見えます。しかし、その本質はまったく異なります。
期待値の違い
ギャンブルには「胴元」が存在します。競馬、パチンコ、宝くじなど、いずれも運営側が利益を確保できるように設計されています。つまり、参加者全体で見ると、長期的には必ずマイナスになる仕組みです。これを「期待値がマイナス」と言います。
一方、投資は企業や経済の成長に資金を提供する行為です。世界経済は長期的に成長を続けており、その成長の恩恵を受けられるため、適切に分散投資を行えば「期待値がプラス」になる可能性が高いのです。
合理的根拠の有無
ギャンブルは基本的に「運」に頼る要素が大きく、結果を予測・コントロールすることが困難です。一方、投資は企業の業績分析、経済状況の把握、過去のデータに基づいた判断など、合理的な根拠に基づいて行動できます。
時間軸の違い
ギャンブルは短期的な勝ち負けを決める性質がありますが、投資は長期的な視点で資産の成長を目指すものです。特に「長期・積立・分散」という投資の3原則を守れば、リスクを大幅に軽減できることがデータで示されています。
「何もしない」ことが最大のリスクになる理由
「投資はリスクがあるから、銀行預金だけにしておこう」という考えは、一見すると堅実に思えます。しかし、2025年の日本の経済状況を見ると、現金を持っているだけでも実質的に損をしているという現実があります。
2025年、日本のインフレ率は3%台に
2025年10月の日本の年間インフレ率は3.0%に達しました。食料品は前年比6.4%上昇、米価格に至っては前年比40%以上も上昇しています。
これは何を意味するのでしょうか?
仮に100万円を銀行の普通預金に預けていたとします。1年後、その100万円は数字の上では100万円のままです。しかし、物価が3%上昇しているため、実際の購買力は約97万円に目減りしています。
つまり、何もしなくても、お金の価値は自動的に減っていくのです。
10年後、20年後のシミュレーション
この影響は長期になるほど深刻です。
年3%のインフレが続いた場合のシミュレーションを見てみましょう。
- 5年後:100万円 → 約86万円相当の価値
- 10年後:100万円 → 約74万円相当の価値
- 20年後:100万円 → 約55万円相当の価値
現在100万円で買えるものが、20年後には約182万円必要になる計算です。預金だけでお金を守ろうとしても、気づかないうちに資産が目減りしていくというのがインフレの恐ろしさです。
銀行預金の金利では追いつかない
2025年12月現在、メガバンクの普通預金金利は約0.1%〜0.2%程度、定期預金でも0.275%程度です。ネット銀行の好条件でも普通預金で最大0.5%、定期預金で1%前後が上限です。
つまり、インフレ率3%に対して、預金金利は良くても1%程度。差し引き2%以上、毎年資産価値が目減りしている計算になります。
これが「何もしない」ことのリスクです。「安全」だと思っている預金も、実質的には毎年マイナスのリターンを生んでいるのです。
円安も「何もしない」リスクを加速させる
2025年現在、円安傾向が続いています。1ドル150円前後で推移しており、日米の金利差が円安の主な要因となっています。
円安が家計に与える影響
日本は食料やエネルギーの多くを輸入に頼っています。円安になると輸入品の価格が上昇し、私たちの生活コストが上がります。
- 食料品の値上がり
- ガソリン・電気代の上昇
- 海外旅行コストの増加
円だけに資産を集中させるリスク
日本円だけで資産を持っているということは、「日本円」という一つの通貨に全てを賭けているということです。円の価値が下がれば、持っている資産の価値も一緒に下がります。
投資を通じて外貨建ての資産(外国株式、外国債券など)を持つことで、このリスクを分散させることができます。
なぜ今、投資がおすすめされるのか?
理由1:「貯蓄から投資へ」という国の方針
政府は「資産所得倍増計画」を掲げ、国民に投資を促しています。その象徴が2024年から大幅に拡充された新NISA(少額投資非課税制度)です。
新NISAの特徴は以下の通りです。
- 年間投資枠:最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)
- 生涯投資枠:1,800万円
- 非課税期間:無期限
- 売却後の枠復活:翌年に投資枠が復活
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば非課税です。例えば、100万円の利益が出た場合、通常なら約20万円が税金で引かれますが、NISAなら丸々100万円が手元に残ります。
政府がここまで投資を後押しするのは、預金だけでは国民の資産が実質的に目減りしていくことを認識しているからです。
理由2:長期投資なら元本割れリスクを大幅に軽減できる
投資にリスクがあることは事実です。しかし、「長期・積立・分散」を実践することで、そのリスクを大きく軽減できることがデータで示されています。
金融庁の分析によると、1985年以降の期間で長期・積立・分散投資を20年続けた場合、元本割れしたケースはゼロでした。
また、名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』によれば、15年以上の長期投資を続けることで、元本割れの可能性をゼロに近づけることができるとされています。
投資期間別のリターン幅(過去データ)を見ると、その効果は明らかです。
- 1年投資:最大リターン52.6%、最大損失-37%(ブレが大きい)
- 5年投資:リターンのブレが縮小
- 10年投資:さらにブレが縮小
- 15年以上:最低リターンでも+4.2%以上(元本割れなし)
短期では確かにギャンブル的な要素がありますが、長期で続けることで「投資」本来の姿になるのです。
理由3:複利効果で資産が雪だるま式に増える
長期投資の最大のメリットは「複利効果」です。得られた利益を再投資することで、利益が利益を生む好循環が生まれます。
例えば、毎月3万円を年利5%で運用した場合のシミュレーションを見てみましょう。
- 10年後:約465万円(元本360万円+利益約105万円)
- 20年後:約1,233万円(元本720万円+利益約513万円)
- 30年後:約2,496万円(元本1,080万円+利益約1,416万円)
30年間で元本1,080万円に対し、利益が約1,416万円。利益が元本を上回るのです。これが複利の力です。
早く始めるほど複利効果を長く享受でき、資産形成に有利になります。これが「投資は早く始めた方がいい」と言われる理由です。
投資のリスクとの正しい向き合い方
ここまで投資のメリットを説明してきましたが、投資にリスクがあることは間違いありません。重要なのは、リスクを正しく理解し、適切に管理することです。
リスク管理の基本:分散投資
「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。投資でも同じで、一つの商品に集中投資するのではなく、複数の資産に分散することでリスクを軽減できます。
分散投資には以下のような方法があります。
- 資産の分散:株式、債券、不動産、金など異なる資産クラスに投資
- 地域の分散:日本だけでなく、米国、欧州、新興国など世界中に投資
- 時間の分散:一度に投資せず、毎月一定額を積み立てる(ドルコスト平均法)
特に「つみたて投資」は、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになるため、平均購入単価を平準化できます。これにより、購入タイミングを誤るリスクを軽減できます。
投資に回すべきお金の考え方
投資は「余裕資金」で行うことが大原則です。以下のようなお金は投資に回すべきではありません。
- 生活費:日々の生活に必要なお金
- 緊急予備資金:病気やケガ、失業などに備えた3〜6ヶ月分の生活費
- 近い将来使う予定のあるお金:5年以内に使う予定の教育費や住宅購入資金など
これらを確保した上で、「当面使う予定のないお金」を投資に回すようにしましょう。
暴落時の心構え
長期投資をしていると、必ず株価の暴落を経験します。リーマンショック、コロナショックなど、歴史的な暴落は何度も起きています。
しかし、重要なのは暴落時に慌てて売らないことです。過去のデータを見ると、どんな暴落も長期的には回復しています。暴落時に売ってしまうと、損失を確定させるだけでなく、その後の回復の恩恵を受けられなくなります。
むしろ暴落は「安く買えるチャンス」と捉え、淡々と積立を続けることが大切です。
インフレに強い資産とは?
インフレ時代に資産を守るためには、インフレに強い資産を持つことが重要です。代表的なものを紹介します。
株式・投資信託
企業は物価上昇に応じて商品・サービスの価格を上げることができるため、インフレ環境下でも業績を維持・拡大できます。その結果、株価もインフレに連動して上昇する傾向があります。
特に、世界中の株式に分散投資できる「全世界株式インデックスファンド」は、初心者にもおすすめの選択肢です。
不動産・REIT
不動産は物価上昇に伴って価格が上がりやすく、賃料収入もインフレに連動して調整可能です。直接不動産を購入するのはハードルが高いですが、REIT(不動産投資信託)なら少額から不動産投資が可能です。
金(ゴールド)
金は「有事の金」と呼ばれ、2,000年以上にわたって価値の保存手段として機能してきました。インフレや地政学的リスクが高まると、金への資金流入が増える傾向があります。
外貨建て資産
円安が進む環境では、米ドルやユーロなど外貨建ての資産を持つことで、円の価値下落をヘッジできます。外貨建ての投資信託や外貨預金が選択肢になります。
初心者が投資を始めるならどうすればいい?
投資を始めようと思ったら、まずは以下のステップで進めることをおすすめします。
ステップ1:新NISA口座を開設する
まずは新NISA口座を開設しましょう。証券会社で口座開設すれば、同時にNISA口座も開設できます。ネット証券なら手数料も安く、スマホで手軽に取引できます。
ステップ2:つみたて投資枠から始める
投資初心者は、まず「つみたて投資枠」から始めるのがおすすめです。つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が長期投資に適していると認めた投資信託のみ。手数料が低く、分散投資されている商品が厳選されています。
ステップ3:少額から始めて慣れる
最初は月1,000円や5,000円など、少額から始めてみましょう。実際に投資を体験することで、値動きに対する感覚が養われます。慣れてきたら徐々に金額を増やしていけばOKです。
ステップ4:長期目線で継続する
一度設定したら、日々の値動きに一喜一憂せず、淡々と継続することが大切です。10年、20年という長期目線で取り組みましょう。
まとめ:「何もしない」から「少しずつ始める」へ
投資には確かにリスクがあり、元本保証はありません。しかし、2025年の日本では、インフレ率3%に対して預金金利は1%未満。「何もしない」こと自体が、毎年2%以上の資産価値の目減りを意味するのです。
投資とギャンブルはまったく異なるものです。
- ギャンブルは運に頼り、期待値はマイナス
- 投資は長期・積立・分散で、期待値をプラスにできる
もちろん、投資は自己責任です。しかし、その「自己責任」は、インフレで資産が目減りしていくことを黙って見ていることも含まれるのではないでしょうか。
「保守的だから何もしない」のではなく、「リスクを理解した上で、少しずつ始める」。これこそが、インフレ時代の本当の意味での「保守的」な資産防衛ではないかと思います。
まずは新NISA口座を開設し、月1,000円からでも積立投資を始めてみませんか?
※本記事は2025年12月時点の情報に基づいています。投資は元本保証がなく、損失が生じる可能性があります。投資判断は自己責任でお願いいたします。
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