「今年の忘年会、新人は余興やってね」
この言葉を聞いて、思わず絶望した経験はありませんか?
2025年にもなって、まだ昭和のような「忘年会で余興は当たり前」という価値観を押し付けてくる上司がいることに、驚きを隠せない方も多いでしょう。「忘年会スルー」という言葉が生まれてから約6年。働き方改革が叫ばれ、パワハラ防止法が施行された今でも、こうした古い慣習に苦しんでいる人は少なくありません。
この記事では、忘年会の余興を断りたい方に向けて、法的根拠に基づいた断り方から波風を立てない穏便な断り方まで、状況別に徹底解説します。
2025年、忘年会に対する意識はどう変わった?
まず、世間の忘年会に対する意識がどう変化しているのか、最新の調査データを見てみましょう。
参加意欲は世代で二極化
Job総研が実施した「2025年忘年会意識調査」によると、今年の忘年会実施率は約7割。「参加したい派」は60.1%と過半数を超え、特に20代の参加意欲が71.0%と最も高い結果となりました。
一方、東京商工リサーチの調査では、2025年の忘年会実施率は57.2%で、コロナ禍後で初めて前年を下回りました。実施しない理由として「費用削減のため」が21.7%と、調査開始以来初めて20%を超えています。
「行きたくない」が本音の人も多い
クロス・マーケティングの調査では、全体の過半数が「もともと忘年会に行きたくない」と回答しています。「参加する」「参加したい」と答えた人は全体の約3割にとどまりました。
つまり、表向きは「忘年会復活」と言われていますが、本音では参加したくない人が多数派という実態があるのです。
余興の強制はパワハラになる?法的観点から解説
結論から言うと、余興の強制は状況によってパワハラに該当する可能性があります。
パワハラ防止法とは
2020年6月に「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」が施行され、2022年4月からは中小企業にも適用されています。すべての企業に対して、パワハラ防止措置を講じることが法的義務となりました。
パワハラの定義は以下の3つの要素を満たすものとされています。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
- 労働者の就業環境が害されるもの
余興強制がパワハラに該当するケース
専門家の見解によると、業務とは全く関係がなく、本人がやりたくないことを余興として無理やりさせられた場合は、「業務の適正な範囲を超えている」としてパワハラに該当する可能性があります。
特に以下のようなケースは問題視されやすいです。
- 断ったことで評価に影響すると示唆された
- 人前で恥をかくような内容を強制された
- 準備のために業務時間外の労働を強いられた
- 断った結果、職場で無視されるなどの不利益を受けた
世間の認識も変わっている
ある調査では、64%の人が「忘年会への参加強要はパワハラだと思う」と回答しています。その理由として最も多かったのは「本人の参加意思は自由だから」(76%)でした。
つまり、余興を強制する上司の方が時代遅れという認識が広まっているのです。
【状況別】上司を黙らせる余興の断り方
ここからは、実際に使える断り方を状況別に紹介します。
レベル1:穏便に断りたい場合
職場の人間関係を壊したくない場合は、以下のような断り方が効果的です。
①「先約がある」パターン
「申し訳ありません。その日は以前から家族との約束があり、
準備に時間を取ることが難しい状況です」
②「体調を理由にする」パターン
「実は最近、人前に出ると緊張で体調を崩してしまうことがあり、
ご迷惑をおかけしたくないので、今回は裏方で協力させてください」
③「代替案を提示する」パターン
「余興は苦手なのですが、会場の飾り付けや受付など、
他の形でお手伝いできればと思います」
ポイント
- 早めに断る(幹事への配慮を見せる)
- 完全拒否ではなく、別の形で貢献する姿勢を示す
- 「残念ですが」などクッション言葉を入れる
レベル2:きっぱり断りたい場合
何度も断っているのに聞き入れてもらえない場合は、より明確に意思表示しましょう。
①「はっきり意思表示する」パターン
「大変申し訳ありませんが、余興については辞退させてください。
業務外の活動であり、私個人の判断でお断りいたします」
②「時代の変化を伝える」パターン
「最近はハラスメントへの意識も高まっており、
余興の強制は問題になるケースもあると聞いています。
強制ではないですよね?」
ポイント
- 曖昧にせず、語尾まではっきり伝える
- 相手を責めるのではなく、あくまで「自分の判断」として伝える
レベル3:法的根拠を持ち出す場合
どうしても断れない、圧力がひどい場合は、法的根拠を示しましょう。
①「パワハラ防止法に言及する」パターン
「2022年から全企業にパワハラ防止措置が義務化されています。
業務外の余興を強制することは、パワハラに該当する可能性があると
認識しています。それでも強制されるということでしょうか?」
②「相談窓口の存在を示唆する」パターン
「もし強制ということであれば、一度人事部(またはコンプライアンス窓口)に
確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
注意点
- この方法は最終手段として使う
- 使用後は上司との関係が悪化する可能性がある
- 本当に困っている場合のみ、覚悟を持って使う
令和の忘年会は「自由参加」がスタンダード
実は、先進的な企業では忘年会のあり方が大きく変わっています。
変わる企業の対応
最近では、忘年会の案内メールに「※自由参加です」「参加不参加は評価と無関係です」といった断り書きを入れる企業が増えています。
また、以下のような工夫をする企業も増加しています。
- 就業時間内に開催:残業代問題を回避
- 社内開催:移動の負担軽減、途中退席しやすい環境
- 会社負担:個人の費用負担をなくす
- 余興なし:参加ハードルを下げる
もし「強制参加」と言われたら
忘年会が業務命令として強制参加となる場合、その時間は労働時間とみなされます。つまり、残業代の支払い義務が発生するのです。
「強制参加だけど残業代は出ない」という状況は、労務管理上も問題があります。もし上司に「強制」と言われた場合は、以下のように確認してみましょう。
「強制参加ということは、業務扱いになりますよね?
労働時間としてカウントされるという認識でよろしいでしょうか?」
この一言で、多くの場合「いや、強制じゃないけど…」とトーンダウンするはずです。
余興を断った後のフォローも大切
余興を断ることに成功しても、その後のフォローを怠ると職場での立場が悪くなる可能性があります。
断った後にやるべきこと
- 当日は笑顔で参加する(参加する場合)
- 余興を断っても、忘年会自体には前向きな姿勢を見せる
- 他の形で貢献する
- 幹事の手伝い、片付け、二次会の手配など
- 感謝の言葉を伝える
- 「今日は楽しかったです」など、ポジティブな言葉で締める
- 翌日にお礼を言う
- 幹事や上司に「昨日はお疲れ様でした」と声をかける
完全に不参加の場合
忘年会自体に参加しない場合も、以下のフォローを心がけましょう。
「忘年会、参加できず申し訳ありませんでした。
皆さん楽しまれたようで良かったです。
また別の機会にぜひご一緒させてください」
それでも解決しない場合の相談先
上記の方法を試しても状況が改善しない場合は、以下の相談先を活用しましょう。
社内の相談窓口
- 人事部
- コンプライアンス窓口
- ハラスメント相談窓口
パワハラ防止法により、すべての企業に相談窓口の設置が義務付けられています。
社外の相談窓口
- 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局、全国379か所)
- みんなの人権110番(法務省:0570-003-110)
- よりそいホットライン(0120-279-338)
相談は無料・匿名で可能です。「これはパワハラに該当するのか?」という判断に迷った場合も、気軽に相談できます。
まとめ:自分の意思を大切にしよう
2025年の今、忘年会のあり方は大きく変わっています。
- 余興の強制はパワハラに該当する可能性がある
- 参加は自由、断る権利がある
- 令和の忘年会は「強制しない」がスタンダード
もし上司から余興を強制されたら、この記事で紹介した断り方を参考に、自分の意思をしっかり伝えましょう。
大切なのは、断ることは悪いことではないということ。むしろ、業務外の活動を強制する方が問題なのです。
一人ひとりが声を上げることで、昭和のような古い慣習は少しずつ変わっていきます。あなたの行動が、次の世代の働きやすい職場環境につながるかもしれません。
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同じように悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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